2017年1月29日日曜日

つれづれなるままにスペインへの恋心

恋とは不思議なものです。
心を奪われたら最後、
一日中その人のことを考えてしまいます。
やめようと思っても、やめられるものではない。
そこにいっさいの理屈はない。
頭で考える理由や道理など、
何の役にも立ちません。

イスパニカの創業者、井戸光子は、
スペインに一瞬で心を奪われてしまった人でした。




書籍編集のアルバイトをしていた井戸は、
フラメンコに関連する本の製作にかかわったことで、
スペインを知りました。
興味をもち、訪れたその国で、
完全に、スペインの虜になってしまった。

好きになった相手のことは、
全てを知りたいと思うもの。
そして、知るだけでは飽き足らず、
その魅力をまわりに知らしめたくなるもの。

井戸は、その一心で、『今週のスペイン』を発行するようになりました。
もちろん、まだインターネットなどなかった時代です。
ファクスで配信されていた『今週のスペイン』は、当時、
日本でいちばん速く、正確なスペインの情報を入手できるメディアでした。

それから20年以上が経ちました。
井戸は、スペインに対する熱い情熱を胸にしたまま、
昨年10月に他界しました。

井戸がいなくなった今も、
イスパニカと、井戸の立ち上げたNPO法人イスパJPのまわりには、
同じようにスペインに心を奪われた人が集まっています。

もちろん、私も。
恋した相手にまた会いにいける日を思い描いて、
日々を過ごしています。