昨日、ある方にスペイン語学習のカウンセリングを行いました。
来てくださったTさん、ありがとうございました。
これまで合格された検定や、スペイン語を使った経験などをお聞きしたところ、
初中級レベルは十分に習得されている方で、
この先、どのように勉強を続けていったらいいか、
ということで、目指すべき姿を一緒に考えたり、
こちらにある情報を提供したりしました。
語学を上達させたいと思ったら、手段は無数にあります。
まず、外国語を使えるようになるには、さまざまな要素が必要です。
語彙・文法・構文などの知識は、独学でも身につけることができます。
しかし、なかなか使えるようにならない、というのが、
カウンセリングに来てくださったTさんの悩みでもありました。
では、そのような学習者が、
中級レベル以上を目指すとしたら、何が必要でしょうか。
それは、たとえば、長文を読むのであれば集中力が、
手紙を書くのであれば失礼にならないような態度が、
映画のセリフを聞き取るのであれば文脈を推測する想像力が、
ネイティブを会話で楽しませるためにはサービス精神が、
などといった、「社会人としての言葉を使うスキル」が必要になります。
当然、これらは語学の要素ではありません。
しかし、これらのスキルを身につけていながら、
外国語でこのようなことが行えないのはなぜか。
それは、学んだ語彙・文法・構文を、
無意識で行えるレベルにまで熟達させていないからです。
昨年末、このような本を読みました。
『学びとは何か』(今井むつみ、2016年、岩波書店)
この本の「第4章 学びを極める」の中に、言語の学習にふれながら、
===
つまり、熟達といっても、経験を積むことで、最初はできなかったことが素早く、よどみなく、正確にできるようになるというレベルの熟達と、それを超えて、その分野で一流となり、さらに超一流になるレベルの熟達とがある。
===
とあります。
熟達を目指すためには、経験を積むことが必要なのです。
経験を積むとは、時間を重ねることです。
時間を重ねるためには、どうすればよいか。
答えを出すのはTさんですが、
Tさんは今日のリスニング体験クラスと、もう1つ別のクラスも、
見学に来ると言ってくださいました。
そんな機会をイスパニカが提供できることを、
私はとてもうれしく思っています。