2017年3月23日木曜日

本物のスペイン語を読む_『名作短編で学ぶスペイン語』

紹介したい書籍はたくさんあるのですが、今日はこちら。


『名作短編で学ぶスペイン語』(宇野和美・網野真木子、ベレ出版、2016)

イスパニカの通信添削講座、通学スクールともに、
クラスを持ってくださっている宇野和美先生の編訳です。
開講しているクラスの一覧はこちら


スペイン語を学ぶ方の動機は本当にさまざまだと思いますが、
教科書だけ読めるようになれば満足、
教室の中で生徒同士あるいは先生と会話できれば十分、
という方はいないでしょう。
いつか“本物の”スペイン語を読めるようになりたい、
ネイティブとの会話を楽しめるようになりたい、
と思って、皆さん勉強を続けているはず。

この書籍には、“本物の”スペイン語短編が10編収められています。
作家のラインナップは下記の通り。

レイナルド・アレナス(キューバ)
グスターボ・アドルフォ・ベッケル(スペイン)
バルドメロ・リリョ(チリ)
フェルナン・カバリェーロ(スペイン)
ルベン・ダリーオ(ニカラグア)
レオポルド・ルゴーネス(アルゼンチン)
オラシオ・キローガ(ウルグアイ)
フリオ・ラモン・リベイロ(ペルー)
ハビエル・マリーアス(スペイン)
フリオ・リャマサーレス(スペイン)

左ページに原文が、右ページに対訳が載せられています。
脚注に、読解の上でポイントとなる点が解説されています。
そして、各短編の後に「読解のための文法」というまとめがあります。

語学書として使う、あるいは文学を楽しむ、
どちらも可能なお得な本ですが、
この本に目を通すと、スペイン語圏の文化や、
ちょっとした知識を、自然に身につけることができます。

たとえば、バルドメロ・リリョ「機械の魂」の時代背景、
ルベン・ダリーオ「わがはじまりの歌」における新聞の役割
(個人的には、この短編がかなり面白くてにやにやしながら読みました)
ハビエル・マリーアス「新婚旅行で」の舞台セビーリャでのcとsの発音、
など。

それは、本編が始まる前にある「作品紹介」のおかげでもあります。
つまり、書籍としての完成度が非常に高いのです。

イスパニカで仕入れた分は完売しましたが、近々また仕入れます!
遠方の方はこちらから。
情感あふれるスペイン語の世界が楽しめます。