紹介したい書籍はたくさんあるのですが、今日はこちら。
『名作短編で学ぶスペイン語』(宇野和美・網野真木子、ベレ出版、2016)
イスパニカの通信添削講座、通学スクールともに、
クラスを持ってくださっている宇野和美先生の編訳です。
開講しているクラスの一覧はこちら。
スペイン語を学ぶ方の動機は本当にさまざまだと思いますが、
教科書だけ読めるようになれば満足、
教室の中で生徒同士あるいは先生と会話できれば十分、
という方はいないでしょう。
いつか“本物の”スペイン語を読めるようになりたい、
ネイティブとの会話を楽しめるようになりたい、
と思って、皆さん勉強を続けているはず。
この書籍には、“本物の”スペイン語短編が10編収められています。
作家のラインナップは下記の通り。
レイナルド・アレナス(キューバ)
グスターボ・アドルフォ・ベッケル(スペイン)
バルドメロ・リリョ(チリ)
フェルナン・カバリェーロ(スペイン)
ルベン・ダリーオ(ニカラグア)
レオポルド・ルゴーネス(アルゼンチン)
オラシオ・キローガ(ウルグアイ)
フリオ・ラモン・リベイロ(ペルー)
ハビエル・マリーアス(スペイン)
フリオ・リャマサーレス(スペイン)
左ページに原文が、右ページに対訳が載せられています。
脚注に、読解の上でポイントとなる点が解説されています。
そして、各短編の後に「読解のための文法」というまとめがあります。
語学書として使う、あるいは文学を楽しむ、
どちらも可能なお得な本ですが、
この本に目を通すと、スペイン語圏の文化や、
ちょっとした知識を、自然に身につけることができます。
たとえば、バルドメロ・リリョ「機械の魂」の時代背景、
ルベン・ダリーオ「わがはじまりの歌」における新聞の役割
(個人的には、この短編がかなり面白くてにやにやしながら読みました)、
ハビエル・マリーアス「新婚旅行で」の舞台セビーリャでのcとsの発音、
など。
それは、本編が始まる前にある「作品紹介」のおかげでもあります。
つまり、書籍としての完成度が非常に高いのです。
イスパニカで仕入れた分は完売しましたが、近々また仕入れます!
遠方の方はこちらから。
情感あふれるスペイン語の世界が楽しめます。