お互いのイスパニカとの出会いを語っていたのですが、
私がこの会社にかかわるようになったきっかけは、
こちらの本でした。
ロシア語の通訳者として、
また軽妙なエッセイの書き手として活躍された、
米原万里さんの本です。
幼少時代をプラハで過ごした著者が、30年後、
東欧を襲った激動により音信の途絶えたかつての親友を探し出す、
というルポルタージュです。
2002年の大宅壮一ノンフィクション賞受賞作です。
この中に、ロシア語で流暢に会話していたクラスメイトの1人が、
再会してみたら、感じる親密さや明るい人柄は、
当時とまるで変わらないものの、
なんとロシア語をすっかり忘れてしまっていて、
英語で語り合うことになった、というエピソードが出てきます。
その事実に、米原さんが、
「年に1冊でもロシア語の本を読み続けていれば、
ここまで忘れてしまうなんてことはなかったはずなのに」
と一抹の寂しさを感じる趣旨の文があったのです。
これを読んで、私は、
そうか、私はこのままだとスペイン語を忘れるんだ、
と、仕事と育児をしながらでも続けられる、
スペイン語の通信添削を探して、
イスパニカに受講の申し込みをしたのでした。
この本の著者、米原万里さんは、
希代の読書家でもあり、多数の書籍を著されています。
著された書籍を検索するだけで、
めまいがするほどです。
通訳者で、読書家で、エッセイストで、大宅壮一賞で。
打ちのめされるようなすごい人です。
まだまだ読んでいない本もたくさん。
まずは1冊、そしてもう1冊読むところから、
追いかけてみようかと思います。