2017年2月10日金曜日

打ちのめされるようなすごい人

昨日、授業後の講師とおしゃべりする時間があり、
お互いのイスパニカとの出会いを語っていたのですが、
私がこの会社にかかわるようになったきっかけは、
こちらの本でした。





ロシア語の通訳者として、
また軽妙なエッセイの書き手として活躍された、
米原万里さんの本です。

幼少時代をプラハで過ごした著者が、30年後、
東欧を襲った激動により音信の途絶えたかつての親友を探し出す、
というルポルタージュです。
2002年の大宅壮一ノンフィクション賞受賞作です。

この中に、ロシア語で流暢に会話していたクラスメイトの1人が、
再会してみたら、感じる親密さや明るい人柄は、
当時とまるで変わらないものの、
なんとロシア語をすっかり忘れてしまっていて、
英語で語り合うことになった、というエピソードが出てきます。

その事実に、米原さんが、
「年に1冊でもロシア語の本を読み続けていれば、
ここまで忘れてしまうなんてことはなかったはずなのに」
と一抹の寂しさを感じる趣旨の文があったのです。

これを読んで、私は、
そうか、私はこのままだとスペイン語を忘れるんだ、
と、仕事と育児をしながらでも続けられる、
スペイン語の通信添削を探して、
イスパニカに受講の申し込みをしたのでした。

この本の著者、米原万里さんは、
希代の読書家でもあり、多数の書籍を著されています。



著された書籍を検索するだけで、
めまいがするほどです。
通訳者で、読書家で、エッセイストで、大宅壮一賞で。
打ちのめされるようなすごい人です。

まだまだ読んでいない本もたくさん。
まずは1冊、そしてもう1冊読むところから、
追いかけてみようかと思います。