2017年3月21日火曜日

スペイン映画が日本に紹介されるとき

とある映画の上映会と、
それにプラスした企画を考えています。
企画を進める中で話題になったのが、
スペイン映画が日本で上映されるときの、
邦題や宣伝のあり方。

ずいぶん前の映画になってしまいましたが、
『靴に恋して』というスペイン映画があります。
(2002年公開)




こちらは日本で販売されているDVDのジャケットですが、
原題は“Piedras”で、ジャケットもこんな感じ。

cartel

映画は、決して幸せとはいえない5人の女性を描いています。
しかし、日本で紹介されたときには、
華やかな靴のコレクションが宣伝に使われました。
登場する女性たちは、決して“靴に恋して”いるわけではなく、
大量の靴は、女性のうちの1人が自分の傷を癒やすために買っている、
いわば苦しみの数を表しているとも言えるのですが。

画像を探していて、トレーラーを見たら、
またこの映画を見たくなりました。
以前に見たとき、タクシー運転手をしている別の登場人物が、
血の繋がっていない子どもから「ママに会いたい」と言われたシーンで、
翌日に目が腫れて会社に行けなくなるほど泣いたことを思い出しました。


舞台はマドリードです。
映画は他国の文化を知るのに最適なツールですが、
その映画が日本に紹介されるとき、
試されているのは私たちの文化かもしれないと思います。