2016年10月28日金曜日

沖西・沖葡辞典

今日の朝日新聞に沖縄方言をスペイン語に訳した、沖西辞典、ポルトガル語に訳した、沖葡辞典が編集されたという記事が載っていました。辞書を作るといえば「舟を編む」ですね。言葉の定義や用例を編んでいく作業はきっとたいへんな想像力と忍耐が必要だろうと思います。その作業に携わっている方々には同じ言葉を仕事にするものとしても頭が下がります。


最近、気がかりなのは言葉の多様性が失われるのではなかろうかとうことです。言葉は割に複雑なので自動翻訳や予想変換など、まだまだ正確に対応できないことが多々ありますが、これから人間がAIにわかりやすいように言葉を使うなんてことになるような気がして心配です。そうなると、標準と見なされないような、少数言語や地域言語が淘汰されてしまいかねません。それぞれの言語は多くの人間の歴史を背負って成り立っていますが、一度滅びて、死語となってしまった言語は二度と復活できません。それは効率とは相容れない部分がもしれませんが、その非効率な部分もまた言語のよさだと思いますし、思考の多様性と言葉の多様性はリンクしていると思います。そうい意味でも、こうしたプロジェクトはとても意義があるものと思います。