今日はこちら。
DVDを購入して見た映画、『海を飛ぶ夢』。
(あらためてジャケットを見て…
「海を飛ぶ夢」という放題はうまいと思うけど、
“世界中が泣いた--魂を揺さぶる真実のラブストーリー”
というコピーは、あまりに陳腐だと思いましたよ。
この映画が、ジャケットに写っている2人の“ラブストーリー”だとしたら、
どんなストーリーなのか、筋道立てて語ってほしい……
って、持って行き場のない怒りを表明してみました。)
この映画、昨年に行ったリスニングクラスの最終日で教材として扱いました。
講師の先生も、「何度も見たくなる映画」と言っていて、
参加した受講生の1人から、「以前に見たときは眠くなってしまったけど、
授業で扱われて、あらためてもう一度見てみたいと思った。
スペイン語を勉強していると、こんな出会いもあるのだと思った」という
感想をいただいて、とても嬉しかったのです。
尊厳死がメインのテーマになっていますが、
「生きること」「死ぬこと」だけではなく、
いろいろなことを考えさせられます。
自由とは何か。
愛とは何か。
家族とは、宗教とは、何か。
政治とは、制度とは。
尊厳、身体、心情、言葉。
舞台がスペインという国だからこそ、
このテーマでこのストーリーが成り立ったとも言えます。
今の私が受け取って印象に残ったセリフを記します。
「尊厳死の会」のメンバーであるジュネが、
肢体麻痺の症状が進む弁護士のフリアに言うセリフです。
===
Julia... el miedo es un arma muy poderosa.
El miedo no te deja libertad para decidir...
esto que me dices ahora, es por culpa de este miedo.
Quizás más adelante te echarás atrás
por lo mismo, por el miedo.
No actúes por miedo.
フリア
“恐れ”はとても強力な武器なのよ
心を決める自由さえ奪う
今は“恐れ”に屈しているけれど――
その同じ“恐れ”が考えを変えてくれることもある
“恐れ”に流されないで
===
『海を飛ぶ夢』(Mar adentro)
2004年、スペイン・フランス・イタリア合作
監督・脚本・製作:アレハンドロ・アメナーバル