2017年6月29日木曜日

「ことばができる」とは

一口に「○○語ができる人」というと
「話せる」ことに目が向きがちではありますが、
その言外には重大な前提条件があるように思います。



日本で「日本語と英語ができる人」を採用する…と
想定するとイメージしやすいかと思うのですが
その人の国籍や母国語がなんであれ、
まずは「日本の社会通念に理解がある人」でないと
一緒に働くにあたって、改めて教えなければならないことが
思いのほか増えてしまいますよね。


通訳翻訳にせよ、事業会社の地域担当にせよ
「スペイン語ができる」ようになって仕事につなげたい場合、
その慣習や文化にも精通していなければ
しゃべるどころか、相手が伝えんとする内容を掬い上げることもできません。

母語ではほとんどの人が無意識に身につけていることなので
外国語学習となるとつい見落としがちなところです。



今月から新たなテキストで始まった
「みんなで読むスペイン語の物語とエッセイ」は、
「スペイン語学習者はもちろんのこと、スペイン語を仕事で使う方々にも原書に触れる機会をもつことで、その文化や考え方に親しんでほしい」
という思いから続いているクラスです。
(詳細はこちら

授業では、訳や構文の理解だけでなく
講師と受講生がお互いに
「この国にはこういう背景があるからこの表現になるのでは」
といったざっくばらんな意見や感想を交わしています。

ひとりで辞書と共に読み下すだけでは気付かないことを知ったり、
帰ってからさらに調べものをしたくなる授業で、
これは通学の醍醐味だと(手前味噌ではありますが)思います。


期中のご見学、受講も承っておりますので
ぜひtameike@hispanica.orgまでお問合わせくださいね。